抄録
本研究では,日本の食料品生産において,産業連関表を用いて直接・間接のエネルギー投入量・CO2排出量を明らかにすることを目的とする.分析した食料品は,農業部門・水産業部門・畜産業部門合わせて約70品目である.分析の結果,農産品では施設栽培の野菜の直接のエネルギー投入量・CO2排出量が大きく,水産品では養殖品の間接のエネルギー投入量・CO2排出量が大きいことが定量的に示された.そして生産に投入するエネルギー量が大きいほど,CO2排出量が増大することが実証された.また(生産投入エネルギー)/(食品熱量)比を算出した結果,ほとんどの食品でその食品熱量の数倍~百数十倍のエネルギー投入が必要になることが明らかとなった.