産業連関
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【特集観光と産業連関】
観光統計データの種類と活用
宿泊旅行統計を利用した分析
塩谷 英生朝日 幸代
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2009 年 17 巻 1-2 号 p. 16-29

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抄録
地域固有の特性を持つ資源を活用する地域観光政策には地域比較が可能な観光統計,訪問地や訪問数を含め正確に情報を収集すること,さらには観光客数など統計精度を高め,調査することが現在の課題である.本論文では観光統計を概観し,その利用方法を紹介する.また,観光イベントの波及効果には地域産業連関分析が頻繁に利用されていることから,2000年地域産業連関表の旅館・その他の宿泊所の部門の評価を行う.この生産額について全国表と都道府県表の合計値を比較すると−1.46%の乖離率となり,都道府県表の作成の精度は比較的高い.一方で移輸入,移輸出は乖離が大きく,推計に課題を残している.次に新しく調査方法が整備された宿泊旅行統計のデータを用いて,地域別波及効果を分析した.3億938万人の宿泊客は3兆8417億円の直接効果がある.その結果,各都道府県での効果を合算すると7兆234億円であり,部門別の波及効果は旅館・その他の宿泊所へ大きく影響する.
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© 2009 環太平洋産業連関分析学会
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