2010 年 18 巻 3 号 p. 5-16
ウィリアム・ペティおよびフランソワ・ケネーは,17世紀そして18世紀に,物的投入産出構造を,基本的に他のすべての重要な経済現象にとって鍵となるものの一つを含んでいる経済体系の中核であると考えた.生産の体系とし て考えられる投入産出構造に表現されたものの可能性が,これまでどのような方法で利用されてきたか,また利用されてこなかったかは,現代の産業連関分析の 問題点と方向性の双方を決めることになる.価値と分配の問題と技術変化の問題という 2 つの側面をより詳しく検討する.