抄録
昨年秋,通産省から1985年日米国際産業連関表が発表された。本稿は,先に発表された1977年日米表とこの1985年表をもとに日米相互依存関係の変化を観察したものである。以下において従来自己充足約な国民経済をもつ米国が,すでに1980年頃を境にして,その傾向を失いはじめた反頭,日本は機械類に特化した構造を強めてきたことを明らかにする。また,一般的には,どの国も設備投資によって成長を持続しようとするが,この世界的な傾向に対し機械類に競争力をもっ日本の存在がますます大きくなっていくことを数量的具体的に説明する。