抄録
我が国で初めて地域産業連関表が作成されてから半世紀以上が経過し,現在では比較的大きなブロック単位から市町村レベルまで数多くの地域産業連関表が整備されるようになった.この状況は地域産業連関分析の発展と実際の政策分析ニーズに応えるために喜ばしい状況であると言える.しかし,今後永続的に地域産業連関表が作成され,各方面で活用されるためには今一度その作成の経緯と実態を明らかにし,今後の産業連関表作成の課題を検討する必要がある.本稿では,全国の都道府県,政令指定都市に対して行った実態調査を踏まえ,地域産業連関表の整備状況を概観すると共に今後の作成上の課題を検討する.