抄録
層状化合物の単層剥離から得られた無機ナノシートは、1nm程度の厚みとmレンジの横サイズという高い二次元異方性を持つナノ物質である。これらナノシートは、シート法線方向に回折周期を持たず、原理的に回折法だけからでは構造を明らかにすることができないため、これまでナノシートの三次元骨格には不明な点が多かった。本研究では、酸化チタン系、酸化マンガン系ナノシートの二次元周期構造を放射光in-plane回折法から、シート法線方向の構造を全反射蛍光XAFS法からそれぞれ評価し、母相のホスト構造と比較できる精度でこれらのナノシートの三次元骨格を明らかにすることに成功した。