抄録
希土類二元金属酸化フッ化物Nd2Eu2O3F6は高い酸化物イオン導電性を示す。その伝導度は500 ℃で1.75 Sm-1であり、これは自動車用酸素センサーなどに利用されている固体電解質である安定化ジルコニアの700 ℃での値に相当する。本研究では希土類酸化物と希土類フッ化物を高温固相反応法により合成し、Nd2Eu2±3 O3F6±3x(-0.5≦x≦0.75)の焼結体を作製し、結晶構造と電気伝導度の関係について検討した。作製した試料のXRD測定を行い、その結果を用いてRietveld解析を行った。また粉末電気伝度測定を行った。その結果、Nd2Eu2±3 O3F6±3xは単一相ではないことがわかり、その相の存在割合が電気伝導度に著しい影響を与えていると考えられた。