抄録
SiCは共有結合性の高融点化合物であることから難焼結材料であり、緻密体を得るには焼結助剤等を添加し、高温・高圧・長時間の熱処理により作製されている。これまでの研究において、MA(Mechanical Alloying)法により作製した積層無秩序構造を有するナノSiC粉末は、SPS法(Spark Plasma Sintering)によって、焼結助剤を添加する事無く、従来法より低温・短時間で相対密度99 %以上の緻密化に成功している。しかし、工業的な観点から考えれば、更なる焼結温度の低下が必要である。そこで本研究ではSiCと全率固溶の関係にあるAlNを少量添加することで、焼結温度の低温化を試みた。