抄録
ユウロピウムイオンをドープしたイットリアは赤色の蛍光体として知られている。これをディスプレイ等に応用するためには微細加工が不可欠である。しかしセラミックス薄膜は耐食性が良く、エッチングが困難で微細加工には多くの工程を要する。そこで我々は、有機シランカップリング剤を用いて自己組織膜を作製し、フォトマスクを介した紫外線照射により官能基(-R)とシラノール基(-OH)にパターニングした後、これをテンプレートとしてイットリウムイオンを含む水溶液への浸漬により、イットリア前駆体を選択的に析出させることを試みた。また、得られた薄膜を加熱処理することによりイットリアの合成を試みた。