抄録
本研究の目的は複合磁性材料を構成するフェライト媒質中でSiO2粒子を孤立させた場合の電磁波吸収特性を評価することである。完全にSiO2粒子が孤立した場合の吸収特性はシミュレーションから1GHz以下の低周波側から1GHz以上の周波数領域でも吸収を起こす。メカニカルミリングを用いて試料を混合することによりSiO2粒子表面をNi-Znフェライト粒子で被膜することが可能であることがわかった。この試料を用いて作製した複合体の複素比透磁率はSiO2孤立モデルから算出した値にある周波数帯で若干ではあるが近づくことがわかった。またこれまでの試料作製法に比べて複素比誘電率の値を大幅に減少させることができ,吸収特性は大きく改善し低周波から高周波まで良好な吸収特性を示す吸収材料を得ることができた。