抄録
環境・エネルギー問題が懸念されている現在、廃熱の有効利用等を目的として熱電材料が注目されている。既存の熱電材料であるBi2Te3のような性能の高い材料は耐熱性・耐酸化性に乏しいことから、酸化物熱電材料が盛んに研究されている。これらの研究から高い性能を有するNaCo2O4が発見されているが、この材料はNaが1073K以上で蒸発し易いといった問題がある。そこで本研究では高温で安定かつ電気抵抗率の低い金属であるAgを用いてCo3O4基複合体を作製し、Agの混合量が熱電特性に与える影響を調査した。