抄録
私たちはオキシアパタイト中に、最も酸化力が強いといわれている活性酸素O-ラジカルが生成することを見出した。多結晶試料は、原料粉末を混合して酸素中で1300-1400℃にて焼成することで得られた。合成後の試料のCW-ESRの結果ではO-(g┴=2.035、g║=2.001)が室温で観測された。その濃度は1016cm-3程度であったが、UV(Hg-lump)照射後では1017-18cm-3まで増加した。パルスESRの結果は、O-ラジカルは、アパタイト結晶中のLa3+イオンと0.43nm(O2-サイトとCa2サイトの第2近接距離)以上はなれたチャネル中のO2-サイトに、トラップしていることを示した。