抄録
材料の熱膨張制御は光通信素子、固体酸化物型燃料電池の信頼性、耐久性向上のために強く望まれている。特にゼロ膨張を示す材料は光学素子の固定など広範囲な応用が考えられている。光通信素子への応用のためには-50から100℃の範囲でゼロ膨張を示す材料が望ましい。Al2(WO4)3は0から450℃でゼロ膨張に近い負の熱膨張を示す。しかしながら-22℃付近で一次相転移に伴う急膨張を示し、相転移温度以下では正の熱膨張を示す。従って、本物質系の応用のためには本構造相転移を低温側へ制御する必要がある。本研究ではAlサイトにScやGaなど3+のイオンを部分置換する事によって熱膨張及び相転移の制御が可能か否かを検討した。