抄録
可視域光通信用光増幅器を実現を目的として、Tb3+を添加した光増幅媒体の検討を行っている。本研究では、Tb3+添加シリケートガラスを溶融急冷法により試作し、これらの熱力学特性及びガラス中のTb3+の吸収・発光特性について明らかにした。検討したガラスはTb3+の高濃度添加が可能であり、Tb3+の波長0.54μmの輻射遷移(5D4→7F5)の蛍光寿命は約2.6msec、誘導放出断面積は約0.8×10-21cm2であった。添加イオン濃度が15wt%以下において濃度消光は観測されなかった。本ガラスは、0.54μm帯の光増幅媒体として期待できる。