抄録
水酸アパタイトは六方昌系に属し、そのa面は正、c面は負に帯電した電荷の異なる2つの結晶面をもつ。タンパク質などの生理活性物質の吸着に利用されているが、その結晶面を選択配向させることによりその選択特異性を向上させることができる。a面を多く露出したアパタイトは塩基性タンパク質よりも酸性タンパク質をより多く吸着することが確認されている。我々は炭酸カルシウムとオルトリン酸からなる酸性水溶液を尿素とウレアーゼを用いた酵素反応により板状アパタイト生成の可能性を見出した。本研究では種々の反応条件による生成物の結晶相、形態、配向性について報告する。