抄録
リチウムイオン二次電池に使用されているLiCoO2は層状岩塩型構造を有している。このような層状構造は、リチウムイオン挿入脱離反応に有利であるため、電池電極材料として注目されている。一方、アルカリチタン酸化物は、スピネル型構造を有するLi4Ti5O12などが負極材料として検討されているが、層状構造をとる化合物については、電気化学的特性が不明なものが多い。今回、層状構造をとる三チタン酸塩Na2Ti3O7を出発物質として、層間のナトリウムイオンをリチウム、或いはプロトンとイオン交換することによって作成したLi2Ti3O7およびH2Ti3O7について、電気化学的リチウム挿入・脱離挙動について調べたので報告する。