抄録
プラズマ溶射法により形成した、表面にC面が優先的に出現した水酸アパタイト(HA)皮膜の表面におけるタンパク質の吸着挙動について検討した。0.08mg/mlのタンパク質(BSA,CytchromeC)溶液1mlにC面配向したHA皮膜試料および無配向の焼結体HAを、室温で1時間浸漬し、10mMリン酸緩衝液で表面を軽く洗浄した後、乾燥させた。試料表面における赤外吸収スペクトルを反射顕微FTi-IRにて観察した。C面に優先配向したHA皮膜表面においてはタンパク質の吸着に起因する赤外吸収帯が観察されたが、無配向の焼結体HAではタンパクによる赤外吸収は観測されなかった。