抄録
界面活性剤を利用した均一孔のメソポーラスシリカ物質 (MPS) の合成をきっかけに、その規則性の高さを利用した触媒、吸着・分離剤、クラスター合成のミクロ容器等への様々な応用が現在盛んに検討されている。 さらにMPSを液晶パネルや燃料電池に利用する研究開発も開始されており、ますますMPSの応用範囲が拡大すると考えられている。しかしMPSの様な新規なナノマテリアル、特にナノ粒子の生体安全性については十分に検討されておらず、今後MPSの多方面での利用以前に、in vivo及びin vitro両面から、MPS類の生体安全性について明らかにする必要がある。今回我々は、様々な粒子サイズ (200nm_-_5μm) を有するMPS類を合成し、それらナノ粒子の細胞増殖に与える影響や毒性について詳細に検討した。