抄録
錯体重合法は、くえん酸とポリオールとの間で起こるポリエステル化反応を利用することで、溶解した金属イオンを均一に分散した前駆体樹脂が得られ、これを熱処理することにより目的の複合酸化物を合成するセラミックス合成法の一種である。前駆体の均質性が高く、固相法に比べ熱処理温度の低減が可能である。そのため大きな比表面積の粉体合成が可能となり、高い水分解活性が期待できる。本研究では紫外光照射下で高い水分解活性を持つ事が報告されているタンタル含有酸化物を、錯体重合法により合成することで更なる高活性化を試みた。同時に、フラックス処理や水熱処理により光触媒粒子の表面状態を改善することで活性向上を目指した。