抄録
パルス通電焼結(SPS法)は、試料粉末に直接大電流を流すことにより、通常の焼結法よりも低温短時間で焼結できるとされている。このような特徴を活かし、本研究ではCaO-SiO2ガラス粉末の焼結を試み、ガラスが結晶化せずに緻密な焼結体となる最適な制御法について検討した。通常の方法である温度制御法では、試料温度と制御温度であるダイスの温度の関係にばらつきが見られ、非晶質のままで緻密な焼結体を得ることができなかった。一方、試料温度に直接関係する収縮量による制御では、非晶質のままで高密度な焼結体を得ることができた。ガラスの焼結には、収縮量制御による方法が有効であることがわかった。