ルチル単結晶は光アイソレータなど光通信に欠かせない光学結晶であるが、小傾角粒界や酸素欠損による着色などの問題がある。我々は、ルチル原料棒に対してルチルにAl2O3を添加したしたものを溶媒とし、TSFZ法により単結晶育成を行った。その結果、溶媒を用いなかった場合には育成結晶は酸素欠損により濃青色であったが、溶媒を用いることにより無色透明な結晶が得られた。また、ICPによる定量分析では、育成結晶中にAl濃度は30ppm未満の検出限界以下でありほとんど固溶していないことがわかった。育成結晶中の高温における酸素拡散速度の違いを熱分析やイオン伝導度測定などにより検討し、Al添加による酸素欠損除去の効果を考察した。