抄録
Aurivillius相の一種であるBi5Nb3O15を固相法で合成したのち塩酸を用いて酸処理を行い、酸化ビスマス層の選択的溶出を試みた。得られたBi5Nb3O15を酸処理し120℃で乾燥した試料のX線回折結果より、層間間隔が2.10 nmから1.86 nmに減少していたことがわかった。ICP分析より酸処理後のBiの組成比は大きく減少していた。またTG分析より400℃付近に質量減少を確認した。これらのことより酸化ビスマス層[Bi2O2]が選択的に溶出し、プロトンが層間に導入されていることが考えられる。