抄録
正方晶ジルコニアの3Y-TZPは超塑性、12Ce-TZPは拡散クリープで高温変形する。これらにAl2O3とTiO2を微量添加すると前者は粒界偏析、後者は粒内固溶すると言われている。本研究では微量添加物を加えた正方晶ジルコニアについてTEM観察及びEDS分析を行った。そして変形前後の組織変化から変形機構及び添加物が変形に与える影響を考察した。3Y-TZPでは変形後の粒内に歪みが生じていたが、転位や大規模な粒界すべり、それに伴うキャビティなどは観察されなかった。12Ce-TZPでは変形後の粒子に顕著なエロンゲーションは認められず、等軸性を保っていた。エロンゲーション後に粒成長した可能性がある。