抄録
600?900℃の熱風で流動化している媒体流動層内に水酸アパタイトの原料となる溶液あるいはスラリーを一定の供給速度で頭頂部より連続的に滴下供給し、ガスと共に流出してくる生成物微粒子をサイクロンにより固気分離し回収した。原料の濃度や種類、熟成時間媒体粒子の種類が及ぼす生成物微粒子のCa/Pモル比および熱安定性への影響を検討した。
媒体粒子としてアルミナボールを用いた場合はシリカサンドに比べて生成物微粒子への混入を著しく減少できた。スラリー原料の場合、熟成期間が短いと媒体流動層による熱処理を施しても熱安定性の弱い水酸アパタイトが生成された。本手法により溶液系原料から水酸アパタイト微粒子を一段で製造できることが分かった。