抄録
我々はこれまでに、極性溶媒下においてMoO3を単純なアルキルアミンと作用させ調製した溶液を用いれば、ディップコーティング等の簡便な手法によって無機層にアルキルアミンが挿入された無機-有機ハイブリット薄膜を自己組織的に作製できることを見出している。これはアルキルアミンとの反応によりMoO3がMo7O246-等のポリオキソアニオンとして溶解し、基板上で無機層がアミン有機層を挟んで自己組織的に配列するためだと考えている。本研究では、この無機-有機ハイブリット薄膜を前駆体として用いて、熱処理によるMoO3膜の調製について検討した。さらにWO3についても同様の手法によってハイブリッド膜を調製し、薄膜調製を試みた。