固相反応法を用いてCaSmCoO4を高温で合成すると、K2NiF4型のCaSmCoO4以外に不純物相が常に析出する。ところが金属硝酸塩水溶液にクエン酸とエチレングリコールを加えて加熱すると赤紫色のゲルが得られ、このゲルを大気中900-950℃で焼成するとK2NiF4型相のみが析出した。これまでの研究から、CaSmCoO4は斜方晶系で、5-300Kの温度範囲で常磁性体であり、n型半導体であることがわかった。本研究では、Coの原子価を制御したCa1+xSm1-xCoO4をクエン酸とエチレングリコールを用いて合成し、xの変化に伴う格子定数、電気・磁気的性質の変化を調べたので、その結果について報告する。