抄録
これまで結晶化ガラスの発光特性の研究対象は希土類フッ化物を含有したナノ結晶化ガラスが中心であり、機能性酸化物結晶を含有した結晶化ガラスの報告は極めて少ない。Ba2TiSi2O8ナノ結晶化ガラスは光非線形性や強誘電性が注目されている機能性結晶化ガラスの一つである。そこで希土類添加Ba2TiSi2O8結晶化ガラスの光学特性を評価した。
溶融急冷法により作製したDy3+ドープガラスを熱処理して結晶化ガラスを得、XRDから希土類が結晶に固溶している事を確認した。発光量子効率は結晶化によって向上した。Judd-Ofelt解析の結果から希土類イオンの結合状態の変化によるものと考えられる。