抄録
これまで、短波長光アイソレータ素子などの開発に向けて、Eu2+やTb3+などの希土類イオンを高濃度で含有した酸化物ガラスの磁気光学効果についての研究が多くなされてきた。本研究では、可視光に対して比較的高い透過性をもち、多量のFe2+イオンを含むリン酸塩ガラスを作製し、その磁気光学特性を調べた結果を報告する。このガラスのファラデー効果の性能指数は、青色半導体レーザーの波長領域である380 nm付近で最大値を示した。また、FeおよびPはともに希土類元素と比較するとクラーク数が高く、今回作製したガラスは元素戦略の観点からも興味深い物質であると考えられる。