抄録
中温作動形固体酸化物燃料電池(IT-SOFC) の電解質には、セリア(Ce0.9Gd0.1O1.95(CGO))やジルコニア(Zr0.79Sc0.2Ce0.01O1.9(ScSZ))が用いられている。気孔が必要なアノードやカソードと異なり、緻密性が要求される電解質は最も高い温度で焼成する必要があり、セル製造の条件・方法を大きく制限し、高コストの要因の一つとなっている。そのため、緻密焼結温度の低温化が研究されており、その中の一つの手法として、焼結助剤として知られているコバルト系化合物を用いた研究があるが、その焼結機構は明らかになっていない。本研究では、SPring-8を利用したX線回折測定等を用い、焼結助剤としてCoOを用いたCGOとScSZの焼結機構を検討した結果を報告する。