抄録
SiCナノ粒子は表面が疎水性であり、水系スラリー中での凝集が問題となっている。本研究では、カチオン系分散剤にポリエチレンイミンとポリアリルアミン、アニオン系にスチレン-マレイン酸共重合体を用い、高分子分散剤の構造および分子量がSiCナノ粒子の水中分散性に及ぼす影響を評価した。カチオン系分散剤ではSiCナノ粒子のスラリー粘度を低下させる最適な分子量が存在した一方、アニオン系分散剤では分子量依存性が観察されなかった。これら粒子分散挙動の違いを解明するため、コロイドプローブAFM法により各分散剤を添加した際の水中におけるSiCナノ粒子間相互作用を評価、解析した。