抄録
Ce1-xNdxO2-x/2系における酸化物イオン伝導はx=0.2で最大値を示し、その後Ndの増加とともに伝導度は減少する。この原因を結晶構造の観点から検討するために、X線回折、中性子回折実験を行いその結果を用いてリートベルト解析を実行した。X=0.5では希土類C型構造に起因する超格子ピークが観測され、結晶構造は
蛍石型構造と希土類C型構造の中間的な構造となることがわかった。Ndドープ量と希土類C型相量の関係と格子定数の変化から、x>0.3の領域において酸素欠陥の規則配列化が始まっていることが予想され、これが酸素欠陥が増加するにも関らず酸化物イオン伝導が減少する原因の一つであると考えた。