抄録
高活性な反応場として超臨界二酸化炭素(CO2)流体を用いることで、基板への熱的ダメージを抑えつつガラス基板上へ結晶質TiO2膜の低温合成を試みた。シリカガラスおよびソーダガラス基板上へチタニウムテトラ-n -ブトキシドモノマー/ 2-メトキシエタノール溶液をスピンコーティングすることで前駆体薄膜試料を準備し、これを密閉式反応セル中にCO2とともに導入後、所定のCO2温度および圧力(200~300℃,15 MPa)で保持することで前駆体薄膜試料の超臨界CO2流体処理を実施した。結果、従来の熱処理プロセスよりも低温(250℃)かつ同程度の光学特性を有する結晶質TiO2膜が合成された。