抄録
ガドリニウム固溶セリア(GDC)電解質、Ni-GDC負極、SrRuO3正極を用いた電池の発電性能を、空気と水素(3vol%水を含む)を流して評価した。500-800℃での開放起電力は電解質の厚さが700μmから60μmへ薄膜化するに伴い低下した。これは電解質内酸素空孔への水素の固溶と解離により、電子導電性が増すためである(H2+VO・・→2H++VO, VO→VO・・+2e-)。出力密度は電解質厚さの減少に伴い増加した。正極材料SrRuO3 の粒子径を19μmから0.9μmへ減少させると800,600℃での最大出力密度はそれぞれ236, 100 mW/cm2から348, 113mW/cm2に増加した。粒子径の減少により三相界面長が増加し、正極過電圧が減少した。