抄録
無機酸化物にとどまらず,様々なガラス形成物質を分類する指標として,液体物性に関するフラジリティーという概念が提案されている。これはガラス形成物質のガラス転移温度近傍における構造緩和時間の非アレニウス性を定量的に評価した指標である。このフラジリティーを用いてガラス形成物質を統一的に理解が可能となることが期待されているが,その起源については未解明である。本研究は,温度変調型DSCを用いて動的熱容量の周波数依存性を観測することにより,2成分系アルカリホウ酸塩ガラスのフラジリティーの組成依存性を調べたものである。