主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
近年の精密機器の発展とともに、高強度かつ低熱膨張のセラミックスが必要とされている。ZrW2O8は非常に広い温度範囲で等方的に負の熱膨張を示すことが知られているが、強度が低い。本研究ではZrW2O8の強度を補うためにB2O3を複合化し、ゼロ熱膨張かつ高強度の物質の作製を試みた。 ZrW2O8-B2O3複合体のZrW2O8とB2O3の混合比および焼結の温度を変化させることにより、最適な条件を調査した。複合体の性能の評価はXRD, 熱膨張および曲げ強度測定で行った。 ZrW2O8-B2O3複合焼結体では混合比がモル比で40:60のものが最もゼロ熱膨張に近くなった。また、ZrW2O8にB2O3を加えることで曲げ強度は12倍程度向上した。