2002 年 60 巻 2 号 p. 34-36
症例は62歳の男性,主訴は心窩部痛,制酸剤にて経過観察していたが改善しないため,上部内視鏡検査を施行したところ,体中部後壁にⅡa+Ⅱc型の早期胃癌を認めた。これより21日目に上部消化管造影を施行したところ,同部位に,襞集中を伴う隆起性病変を認め,再び26日目に上部内視鏡検査を施行したところ,Ⅰ型と診断した。リンパ節転移を認めるものの,他臓器転移を認めず,幽門側胃切除術が施行され肉眼的診断においてもⅠ型と診断された。約1カ月という短期間に肉眼的変化を来した早期胃癌の症例は少ないため,報告した。