Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2187-4999
Print ISSN : 1348-9844
ISSN-L : 1348-9844
臨床研究
家族性大腸腺腫症の残存直腸サーベイランスについて―Ⅱa+Ⅱc様mp癌の1例から―
渡邉 利泰浦上 尚之小泉 浩一保坂 尚志石山 晃世志千野 晶子山本 頼正土田 知宏藤崎 順子星野 恵津夫高橋 寛藤田 力也上野 雅資新井 正美武藤 徹一郎加藤 洋
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 65 巻 2 号 p. 43-46

詳細
抄録
 家族性大腸腺腫症(FAP)の大腸内視鏡を用いた大腸サーベイランスの方法や癌発生時のマネージメントの仕方について,考えさせられる1例を経験したので報告する。症例は44歳,男性。29歳時に家族性大腸腺腫症と診断され,結腸全摘回腸直腸吻合術を施行した。その後,定期的に内視鏡にて残存直腸のサーベイランスを行っていたにもかかわらず,直腸癌を認めた。Retrospectiveに内視鏡像を検討したところ,1つのpolypがAdenoma-carcinoma-sequenceにて癌が発生したのでなく,数個のpolypを含んだある領域の粘膜が発赤し直腸癌に変化していた。FAP患者のサーベイランスを行う場合は,隆起している病変に注意することも重要であるが,領域をもって発赤する粘膜変化も注意することが重要と推測される。もし,残存直腸に術後直腸癌を認めた場合には,大腸粘膜は既に危険なレベルにまで癌化のポテンシャルを有していると考えられるため,内視鏡的切除や部分切除などの局所治療では意味がなく,すみやかに(機能温存的)大腸全摘回腸肛門吻合術の施行が勧められる。
Fullsize Image
著者関連情報
© 2004 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
前の記事 次の記事
feedback
Top