抄録
症例は72歳男性。平成6年,潰瘍性大腸炎を発症。以後,再燃緩解を繰り返し,平成9年以後はメサラジン(5-ASA)および6-メルカプトプリン(6-MP)にて緩解維持されていた。平成15年3月,原発性肝細胞癌に対し肝部分切除術を施行し,6-MPは中止。その後は,メサラジン(1.5g/day)のみにて経過観察されていた。同年8月,下痢および血便が出現。下部消化管内視鏡検査にて直腸からS状結腸にかけてびらんを伴った浮腫状・細顆粒状粘膜を認め,再燃と診断された。5-ASA注腸,ステロイド注腸をそれぞれ単独で行うも奏功せず,10月23日当科入院となる。入院後,プレドニゾロン(PSL)全身投与(40mg/day)を開始するも症状の軽度改善を認めるのみであった。このため第15病日より5-ASA,ステロイド混合注腸を開始したところ,QOLを含めた臨床所見の改善が得られた。5-ASA・ステロイド混合注腸は,治療に難渋する潰瘍性大腸炎の症状緩和,緩解導入の選択肢となり得ると考えられ報告する。