抄録
症例は65歳,男性。左下腹部痛の精査目的で施行した大腸内視鏡検査で,S状結腸憩室と直腸S状部に粘膜下腫瘍を認めた。EUSで,腫瘍は内部均一な低エコー性腫瘤で,消化管間葉系腫瘍(特に平滑筋腫)を疑った。血小板凝集抑制剤を内服中であったため,穿刺生検はせず,経過観察となった。7カ月後,再度内視鏡検査を施行したところ,腫瘍の増大傾向を認めた。十分なInformed Consentの上,高位前方切除術を施行した。腫瘍は,HE染色で核異型に乏しい紡錘状の細胞の増生を認め,免疫染色でvimentin,S-100蛋白が陽性,desmin,α-SMA,CD34,c-kitが陰性で,良性の神経鞘腫と診断した。