2011 年 78 巻 2 号 p. 132-133
症例は52歳男性。便潜血反応陽性のため大腸内視鏡検査を施行したところ,虫垂開口部にポリープを認めた。悪性を疑わせる所見は認められなかったが,腫瘍の全貌を観察することができなかったため,内視鏡的切除は不可能と判断し,後日,外科手術を施行した。単孔式腹腔鏡下手術により盲腸の根部を含めて虫垂を切除した。病変は12×15mmの軽度から高度の異型を伴う管状線腫であった。大腸内視鏡検査で発見され,小さいが内視鏡的な切除が困難な病変に対し,単孔式腹腔鏡下手術を施行し,良好な成績が得られたので,本邦における虫垂線腫の文献的考察を加えて報告する。