Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
術後胆汁瘻に対する内視鏡治療の検討
高野 祐一長濵 正亞丸岡 直隆山村 詠一横溝 和晃水上 博喜田中 淳一上原 なつみ中西 徹花村 祥太郎阿曽沼 邦央猪 聡志五味 邦代黒木 優一郎井上 和明高橋 寛
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キーワード: 胆汁瘻, 術後, 内視鏡治療
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2016 年 88 巻 1 号 p. 60-64

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抄録
胆汁瘻は胆汁が正常胆管外に漏出する病態で,肝胆道系手術において注意すべき合併症である.近年,内視鏡治療の有用性が報告されているが,標準的治療は確立されていない.2009年〜2015年まで当院で内視鏡治療を行った術後胆汁瘻7例を後ろ向きに検討した.平均年齢67.4歳(54〜78歳),男性 : 女性=6 : 1,原疾患は胆石胆囊炎4例,転移性肝腫瘍3例であった.全例で内視鏡的経鼻胆管ドレナージ(endoscopic nasobiliary drainage : ENBD)が行われた.胆汁瘻の閉鎖は6/7例(86%)でみられ,ENBD留置期間は平均12日(6-19日)であった.短期合併症(膵炎・出血・穿孔)は認めなかった.長期合併症として1例に2カ月後にleak部の胆管狭窄を来し,再度の内視鏡治療(胆管ステント留置)を必要とした.内視鏡治療が不成功であった1例は,前区域枝が正常胆管と交通がない状態でleakしており(離断型胆汁瘻),胆道再建術を施行した.術後胆汁瘻に対する内視鏡治療は安全で有用な治療法である.しかし離断型胆汁瘻では内視鏡治療は困難であり,胆管造影でleakが明らかでない場合,MRCPなどを併用し適切な診断に努めるべきである.長期合併症としてleak部の狭窄に注意する必要がある.
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© 2016 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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