2018 年 93 巻 1 号 p. 52-56
Hybrid ESDは,病変の周囲粘膜を高周波ナイフで切開し,その後にスネアを用いて病変を一括切除する手技である.Hybrid ESDはスネアで病変を切除することから,治療時間を短縮する可能性があるものの,分割切除のリスクもある手技である.また,Hybrid ESDは,大腸腫瘍に対して行われることがあるが,胃腫瘍に対して行われている報告は少ない.当院では,先端系ナイフとスネアが一体となったデバイスを使用して,主に①サイズ10mm以下②潰瘍瘢痕(UL)なし③深達度cT1a④分化型腺癌の病変にHybrid ESDを行っている.上記の病変に限定すれば,Hybrid ESDは早期胃癌に対する有効な治療法の一つと考える.