2020 年 96 巻 1 号 p. 51-56
日本の大腸がん検診にはFOBT (免疫学的便潜血検査) が行われているが, 受診率の低さ, さらにFOBT陽性者の全大腸内視鏡検査 (TCS) 受診率の低さが問題である. S状結腸内視鏡及び内視鏡的ポリープ切除による大腸がん死亡率減少効果が報告されているも, 大腸内視鏡挿入技術は容易に習得できない. 通常のコロンモデルを用いたトレーニングでは, 大腸の撓みの状態を確認しながら挿入することは可能である. しかしスコープの状態を確認することが不可能であった. 一方UPDを併用すると大腸の撓みとスコープ屈曲の関連性を同時に把握することが可能である. 今後の大腸内視鏡医の教育において有用性が高いと思われた.