哲学
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スピノザにおける認識の構造
斎藤 博
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1959 年 1959 巻 9 号 p. 35-44

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抄録

認識或は認識作用と言われるものを、狭く認識論的に解さないで、知性の働きという極めて広い意味で理解しよう.スピノザはこの具体的な働きを “観念” (idea) によって表現している.この観念は唯一の実体の属性である思惟の様態 (modus) として規定される.又観念とは日常的な言葉で表わすならば、 “知る” とか “考える” という知性の基本的な働きである.小論の目的は最も基本的な知性の働きから実体、属性、様態という論理的組立によって構成された、知性の内的構造、或はその仕組を明らかにすることである.

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