順天堂医学
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特集 プロスタグランジンの基礎と臨床
プロスタグランジン (PG) 関連薬物の開発--現状と将来
FUMIO HIRATA
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1984 年 30 巻 4 号 p. 411-416

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抄録
すでに, プロスタグラシジン (PG) は, primary PG (PGE1, PGE2およびPGF) が市販され, 一部臨床領域で高い評価を受けているが, より広い領域で, しかも経口剤として使用するためには, その化学安定性, 生体内代謝, 作用選択性に問題を残し, これらを克服するための構造修飾と活性スクリーニングが行われて来た. また, 血液-血管系における血小板由来で血小板凝集性と動脈血管収縮性を持っTXA2と, 動脈内皮産生で血小板凝集抑制性と動脈血管拡張性を持つPGI2の陰陽バランスの変化によって起る病態に対し, これら両者の量的または質的バランスの維持安定により治療しようとする考え方があり, 例えば, PGI2または安定PGI2誘導体, TXA2生合成酵素阻害剤またはTXA2拮抗剤などの開発が待たれる.
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© 1984 順天堂医学会
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