順天堂医学
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原著
血漿交換療法におけるブラディキニンの変化
-血漿分離膜および抗凝固剤の影響-
横山 真和津田 裕士
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1994 年 40 巻 2 号 p. 183-188

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抄録

血漿交換療法 (PP) の副作用の中でよく起こる低血圧・ショック様症状の原因の一つにブラディキニン (BK) の関与が示唆されている. われわれはRA3例・SLE2例についてPPを行い, ポリエチレン (OP) とポリスルフォン (PS・FS) 膜によるBKの変化とともに, 抗凝固剤としてヘパリン (HP) とメシル酸ナファモスタット (NM) の影響を調べた. その結果, HP使用で15分間血液だけ循環させた時には, BKはPS・FSでは著明に増加したが, OPでは軽度であった. さらに血漿分離600ml時ではOP・PS・FSともにBKの増加は軽度であった. また, 分離血漿中のBKの変化はPS・FSで増加, OPで軽度増加であった. NM使用時のBKは15分後, 600ml血漿分離後とも増加はみとめられなかった. 膜分離法によるPPはHP使用時では, 一次膜だけでもBKの増加が認められるが, NMでは増加を認めなかった.

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© 1994 順天堂医学会
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