順天堂医学
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第5回都民公開講座「花粉症:その対策は?」
花粉症の点眼薬・点鼻薬の使い方
-用法・使用上の注意点-
西羅 輝雄
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2000 年 46 巻 1 号 p. 43-45

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抄録

花粉症に用いる点眼薬・点鼻薬には, 抗アレルギー薬, ステロイド薬, 血管収縮薬などがある. これらは眼や鼻腔内の炎症部位に直接作用させるもので, 全身への影響が少ないのが特長である. 点眼薬・点鼻薬は, 直射日光を避け, 指示された温度で保管する. 使用期限の目安は, 包装を開封後1ヵ月間である. 使用中は包装容器のノズル部分を清潔に管理することに注意する. 点眼薬・点鼻薬の使用に際しては, 抗アレルギー薬は, 規則正しく継続して使用する. ステロイド薬は医師の指示に基づき必要最小限度に使用する. 鼻閉に用いる血管収縮薬は, 連用による鼻閉の悪化に注意する. 点眼薬の量は, 1回1滴でよく, 点眼後は数分間閉眼するか, 閉眼に加えて涙嚢部を圧迫すれば, 薬の効果を高め, 全身作用も軽減できる. また, 複数の点眼薬を使用する際の順番はとくにない. ソフトコンタクトレンズは, 点眼時には外すように注意する. 最近は, 複数の診療科を受診する患者が多い. 薬の重複や相互作用を避けるため, 受診時の注意として, 主治医には自分の使用している薬を全て知らせることが重要である.

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