抄録
目的: 過酸化水素の分解反応について, 実験方法の違いとその結果の関連を調べた. また, 学生実習の課題として考えたとき, どの方法が適しているかも検討した.
方法: 体積測定法, 圧力測定法, 質量測定法の三種類の方法を用いて, 反応速度を測定した.
結果: 質量測定法では他の方法に比べ温度管理が困難であった. 触媒の温度は室温のままでよいことが確認された. 体積測定法と圧力測定法はともに速度定数を得るのに適した結果をもたらした. 質量測定法では反応の進行にともなって誤差が増加した. 得られた活性化エネルギーの値は方法の違いによらずほぼ同一であった.
結論: 体積測定法と圧力測定法は, 質量測定法に比べ信頼性の高い結果が得られる. 学生実習では, あえて質量測定法も含め, グループ間で異なった方法を採り比較検討することが望ましい.