抄録
CTやMRIなど, 従来からの画像診断の機器・技術・撮影法の進歩には目まぐるしいものがあるが, 一方でそれらの形態画像診断に限界を感じる場合も少なくない. リンパ節転移の有無を大きさのみで診断することの難しさは, 多くの画像診断医や臨床医が感じているところである. がん検診の新たな担い手として, 機能画像検査としての位置づけになるPET検査は鳴り物入りで登場し, 過熱気味の報道で多くの患者や市民に知れ渡った. さらにFDG (fluorodeoxyglucose) が保険適応となり, デリバリーでの使用が認可されたことが拍車をかけて, 本邦においてPET装置は急速に普及しつつある. 本稿ではPETに関して, その簡単な原理とPET製剤について示した. 特に本邦で唯一保険適応となるFDG-PETについては適応疾患を示し, 前処置や検査の流れを示すとともにいくつかの自験例を呈示し, その有用性を示した.