2007 年 53 巻 2 号 p. 302-305
リウマチ因子陰性の多発関節痛を訴える高齢者を診療する際に, RS3PE症候群Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema Syndromeは鑑別すべき疾患の1つである. 当該症候群と診断した4例について, 診断・治療における留意点を指摘した. 何れの症例も高齢者 (76-85歳) であり, 突然の発症, 対称性多発関節炎, 両側手背足背のpitting edema, およびリウマチ因子陰性が共通した所見であった. プレドニゾロンの投与が著効を示したが, その減量は注意深く行う必要性があると判断された.